陪審裁判制度を、法社会学的な視点から、比較制度的に研究しておられる教授による、掲題の講義に参加。
教授曰く、日本は市民参加型裁判が長く存在していなかった社会なので、導入の効果を把握するには絶好の調査対象であるとのこと。社会学の研究者らしい興味を感じさせる。
発表用のパワーポイントでは、日本で取材した際の写真も豊富。回覧用の資料は、日本で最高裁判所等が周知活動用に印刷・頒布した様々なパンフだった。
講義の内容は、日本の裁判員制度の概要を紹介し、導入前の世論の反対論を紹介し、導入後の参加者達のの肯定的なコメントを紹介した。更に、実際の刑事事件の事例を紹介して、参加者に刑期として何が妥当かと問うことで講義参加を促していた。
写真を多用したスライドや、事例を通じた講義参加の促し方など、非常に上手い講義の方法が、大変参考になった。
スライドの枚数は全部で約25枚。プレゼン時間は正味約40分強くらい、質疑応答が20分弱程。
質疑応答の最後に、僕から以下、質問 「日本人は裁判官裁判の方を、市民参加型裁判よりも好むと言われている。何故ならば、裁判官の方が隣人市民たちよりも賢いと思っているからだ、との見方をどう思うか?」
答: だから、裁判員制度では、評議を市民だけに委ねずに、裁判官も参加して、裁判員を導くことにしたのではないか。
確かにアメリカの陪審員制度では、評議に裁判官が関与することは厳に禁じられていると僕も理解しているので、ここは興味深い論点である。できればもっと文化の相違をどー思うかについて教授の意見をききたかったが、それは後日のお楽しみか。
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