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2011年
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(NY州イサカ市)
 
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ニュース・日記

 
日記

2011年10月の総括 【特別講義編10月26日(水)12:20-13:30】
特別講義
http://www.lawschool.cornell.edu/international/clarke_program/clarke_colloquia.cfm#CP_JUMP_45738


ロースクール内の随所に設置されている電子型掲示板で特別講義が広告された。





当日、講義室の入口。


昼食もビュッフェ・スタイルで供された。


聴衆も続々と集まり始めて...






冒頭は、法と文学的な分析を、ポップカルチャーな小説を題材に披露。



順調に講義が進む...



 10月は忙しくて日記を書く余裕が無かったので、少しずつ思い出しながら総括している。今回は掲題の特別講義の日記を今11月に入ってから思い出しつつ記録に残してみたい。

 この特別講義は、ライルズ教授が責任者を務める、「東アジア法と文化に関するクラーク・プログラム」が主催する、「Colloquium Series」の中の講義
ほぼ毎週、外部の招待講師が講義をして質疑応答するとゆー形式である。

 僕がこの依頼をライルズ先生から引き受けたのは、彼女が今年の夏(7月)に、東京で開催された日本コーネル・ロースクール卒業生会に出席された時の事である。出発直前の僕は、妻も一緒に引き連れて同会に出席したところ、来日中のライルズ先生も来ていらした。その場で日本語も堪能な彼女に、拙著『超訴訟社会』を謹呈したところ、色々と話に華が咲き、彼女が僕に特別講演を依頼。名誉なことでもあるし、僕は喜んでお引き受けした次第である。

 この特別講演の話と演題を僕は大分前から(渡米後ジムに遭ってから直ぐに)ジムに伝えておき、彼も是非出席すると言ってくれていた。更に僕は一応、発表用のパワポ資料案と当日配布資料とを、発表の一週間前にジムに提出して非常に簡単なブリーフィングも行っておいた。彼からは、発表の時間を実際に予行演習して試してみたのか?とのアドヴァイス。正に僕自身心配していた、盛り沢山を講演に突っ込み過ぎて時間が不足するとゆー事態を、ジムは的確に指摘してくれた。そこで発表までの一週間を使って僕は、特に発表案の内容を削除することに焦点を当てつつ、自宅で発表の予行練習を重ねた。

 当日、ジムのアドヴァイスが効を奏して、質疑応答込で60分(しかも質疑応答時間を十分取るよーに依頼されている)しかない講義時間の内、発表時間を約40分に抑えることが出来た。後でジムからも、「上手くいったね("well done")、時間もちょうど良いくらいだったし」とお誉めのお言葉をいただけた。

 講義の時期は、ちょうど教職員達が新任専任教員候補者の発表・審査会とぶつかってしまい、専任教授達の多くが僕の特別講義に出られないとゆーハプニングが発生。ライルズ先生は大分文句を人事委員会(?)の方におっしゃって下さったらしー。しかし聴衆が少なくなるおそれも、ライルズ先生やジム等の関係各位の皆さんの努力のおかげで、無事多くの聴衆を得ることが出来た。ジムは担当する製造物責任法の講義の中でも、僕の特別講義を紹介しつつ参加を促して下さり、実際にそこの学生の幾人かが参加してくれた上に、質問もしてくれた。感謝、感謝である。

 講義の演題は、「日米に於ける製造物欠陥:『大岡裁き』と、『耳なし芳一』と、更に...」である。今回の講義は前掲の通り「東アジア法と文化 ...」の一環なので、僕としても専門の製造物責任法の技術的な詳細な内容に限定せず、出来るだけ日本文化や日本文学と法律との学際的なものにしたかった。だからちょっと「受け」を狙って、「大岡裁き」と「耳なし芳一」を挙げてみた。「大岡裁き」の方は、既に英語の論考を中大の総合政策学部の論文集で公表しているので、すんなりと紹介も可能だが、今回難しかったのは、新たに「耳なし芳一」を入れた点。僕が担当する日本での「不法行為法」の授業では、この話を簡単に入れても「受け」ることは経験済みであるが、アメリカ人を聴衆にした場合にはそーもゆかない。何故なら日本では「耳なし芳一」の話を詳細に説明せずとも、既に教養として皆が承知している。だから物語の説明に余り時間を割かずとも、その物語と、製造物責任法上の警告欠陥の話題との関係性の方に時間を割ける。そこで「受け」てもらえるのだが、アメリカ人の場合は、「耳なし芳一」の物語自体を知らない。だからそちらの説明に時間を割かれ過ぎて、警告欠陥との結び付きの話の方が霞んでしまう。しかし今回の講義は、「法と文化」シリーズの一環だから、ここは割り切って、ある程度は「耳なし芳一」の話に時間を割こうと決意した。と云っても、ただダラダラと「芳一」の話をしても飽きられる。そこで、ネットで発見した、R.ハーンの『怪談』の古い日本映画をアマゾン.comで調達。英語字幕も付いていて好都合なので、これの一部(迎えに来た亡霊が耳を引きちぎるシーン)を講義で流して「受け」を狙うこととした。講義の時期はちょうどハロウイーン間近でアメリカ中がハロウイーン熱に浮かれていたので、講義ではそれにかこつけよーとも画策したのである。

 作戦は見事に的中。先ずはこの映画が、「カンヌ国際映画祭」の「陪審員賞」受賞作品であることを告知して権威づけをした。幽霊の話だからどーせローカルチャーだろう、とは思われたくなかったからである(尤も講義の冒頭ではロイヤー・ジョークとグリシャム作品を取り上げて、思いっ切りポップカルチャーを紹介していたのだが...:-) 更にはR.ハーンが日本文学のハイカルチャーの一つであることも、付け加えておいた。続いて若き日の丹波哲郎さん演じる亡霊が出てきたところで、僕が弁士風に挿入句を一つ。「ところで彼は、僕の母校、中央大学の先輩なんです」と。続いて顔面いっぱいに般若心経が書かれた芳一の顔。しかし亡霊には耳以外が見えないことが、映像で上手く描かれる...という具合に盛り上がるシーンを観せた後、警告過剰問題や、警告欠陥に過失責任主義が適用される点や、ホットコーヒー都市伝説の話題に繋げていった。

 「大岡裁き」の方は、既に英語論考で僕が紹介済みの「三方一両損」のナラティヴは、配布資料にしたその論考を後で読んでもらうことに。今回の講義では、新たに「子供争い」のナラティヴを紹介した。そしてこの話が旧約聖書のソロモン王の「spliting a baby」に似てるとゆー説もあることを指摘。それでもこの話が、日本人の、裁判官への高い敬意と「衡平法」好きを示唆するかもしれない、と加えた。その後にconclusionを述べて無事にプレゼンを終え、続く質疑もお蔭様で7〜8件の質問をいただくことが出来た。

 当日の夜は、僕の講義を祝ってライルズ先生主催の晩餐会が「THE HEIGHTS CAFE & GRILL」で開かれて、ジムや皆も参加。講義の成功を祝ってくれた。感謝、感謝。

 ジムは、特別講義の翌日の製造物責任法の講義の中で、再び僕の講義の話題を冒頭、紹介して下さった。特に『耳なし芳一』の話を簡単に学生に説明しつつ、これを上手く警告欠陥の話に繋げた点が良かったと指摘。感謝、感謝である。



2011年10月の総括 【クルマ編】
日記再開! やっと生活に余裕が :-)



二台目のレンタカー、シボレー・アヴィオ。


三台目のレンタカー、シボレー・コバルト


やーーっっと入手したリース車。Honda Fit Sports 5Door HB

 10月は忙しくて日記を書く余裕が無かった。でも、研究の進捗具合は、「ResearchNotes」のページや、そこからリンクしてある月次進捗記録に記載はして来た。

 10月に余裕が無かった第一原因は、やはりクルマ問題。そして第二原因は、特別講義。後者は覚悟していたことなので、問題の本質は両者が同時期にぶつかって生じたことにある。人生、ぶつかって欲しくない時期と事象がぶつかってしまうのが常である。マーフィーの法則。少し古いかも:-) ところでクルマ問題が結果的に失敗に終わった敗因は、リース車にしたことにある。(後掲)

 クルマ問題は、掛かっても一か月で収束すると予測した。しかもこの一か月の予測は、「遅くとも」とゆー修飾語付で、且つ、不承不承に予測したものだった。ところが実際には、結果的に二か月弱も掛かってしまった。日本の景気低迷が当初「the lost decade」(失われた10年)と云われたのに、実際には20年も低迷が続いたよーな感じだ。近年の、日本にとっての苦難が連想される。そー云えば、ここの住居も、今では非日本人のアジア系でほぼ占拠され、しかも彼等がメルセデスか、アアウディか、レクサスか、ランドローバーかアストンマーチンを乗り回している姿を見るにつけ、日本の凋落ぶりを日々見せつけられているよーでとても辛い。ちなみにここでは白人は超マイノリティで、日本人は僕たち以外全く見た試しがない。一体ここは何処なのか?? 
 
  ところでリース車がやっと納入されたのが、10月
21日金曜日。僕たちが渡米入国した時期が8月29日だから、やはり2か月弱掛かっている。
 リース車が納入されるまでは、レンタカーを乗り継いで凌ぐことを強いられたので、都合、3台ものレンタカーを乗って散財した。

 中古のリース車をNJ州の日系企業から入手する選択がまずかった理由は、リース契約にはIDが必要になることだった。9.11テロ以来、アメリカでIDを取得するのは超至難の業。何週間も待たされる。具体的には非ドライバーズ・ライセンスを取得しないとリース車を入手する為のNY州運輸局の登録ができない。そしてその非ドライバーズ・ライセンスを入手する為には、社会保障カードを入手した挙句にその他の住居証明的な証明証拠物を何点か揃えないとならない。つまり、社会保障カード入手に何日も時間が掛かり、更に非ドライバーズ・ライセンスが郵送されるまでにも何日も時間が掛かる。
 しかも今回は、その企業に書類も保険の証明書も送ってからも、運輸局での登録に手間取り、しかもNJからイサカまでの輸送もトラぶって、結局、二か月掛かってしまった。
 後で、他の少ない日本人留学生に聞いたところ、入国して直ぐに中古車を買ったが、IDは不要だったとのこと。 ...


 ... [To Be Continued]


2011年10月1日(土)
「イサカ・タイムズ」紙の面白い記事発見――新人さんの見分け方?!







































中庭の写真 ...。



向こうに小さく見える逆三角形の標識が「Yield」


慣れないと合流が難しい...。

掲題の新聞は、只の新聞。いわゆるフリー・ペーパーである。以下のタイトルの面白い記事を発見したので、紹介しておこう。(修正付加)  . . . 以下の指摘の殆どに僕が当てはまってしまうのが、悲しいと共に、他の新人達と同じであることにホッと一安心でもある...

Best Way to Spot a New-comer」(イサカに来た新人さんの見分け方

「イサカはゴージャス」(Ithaca Is Gorges)と書かれたTシャツを着ている。

速足で歩く。

交通ルールを守っている。

道路を渡る際に、青信号に変わるのを待っている。


地図を持っている。

「コモンズ」(繁華街)でビルケンショトックを履かずに、ハイヒールを履いている。

一方通行の道路を[クルマで]逆走する。

一通なのに、あなたに向かって[クルマが]走ってくる。

おしゃれをして地図を持ち、「ウオールマート」(量販店)への道を尋ねる。

スーツを着ている。


「スタバ」に行く。

「マクド」で食べている。

「ウエグマンズ」(食料品量販店)で写真を撮っている。

赤信号でも[クルマが]右折可能なのに、停車したまま動かない。

ハイファッション・フットウエアを履いている。

イタリアン・シューズを履いている。

かっこよい靴を履き、コーネル大への道を尋ねている。

コーネル内の建物の中庭(Court Yard)の写真を撮っている。

「劣後道路」(Yield)の標識の意味が解らない。

優先道路を[クルマが]走っているのに、劣後道路と合流する際に上手く入れない。

全ての交差点でブレーキをかける。

警笛を鳴らされている。

10月と3月に短パンとサンダルを履いている人達のことをポカンと見ている。

「イサカはゴージャス」の新しいTシャツを夏に着て、重ね着を持って来ていない。

新しい赤いTシャツ(コーネルTシャツ?)を着て、また道を尋ねている。

ボトル入りの水を飲んでいる。

「セネカ・ストリート」(ダウンタウンの一通路)を、大きなSUVで逆走する。

ドライブ・スルーで適切にオーダーできない。

質の良いきれいな服を着て、道を尋ねる。

また誤った道を逆走する。

パステル・カラーや格子柄の服を着て、「コモンズ」の周囲の道路(一通路)を間違って走っている。

気候に合わない格好をしている。

間違ったレーンを間違って走っている。

一通を逆走する。

警笛を鳴らしながら、一道を逆走する。

全ての交差点でブレーキをかける。

止まることなく質問をする。

ウインカーを出さずに、「ウオルマート」への道を尋ねる。

格好良い服を着て、運転が下手である。

地図に顔を突っ込み、一通を逆走する。

左折のウインカーを出して、右折する。

サンダルやビルケンシュトックを履かない。

 . . . .

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 中央大学多摩キャンパス「桜広場」を研究室から望む。
Looking down the Cherry Field from my office in Chuo Univ., Tokyo, Japan  
   
The author in Horyu-ji, Nara City, Japan