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(NY州イサカ市)
 
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Apr.30_. 2012 Courtyard
 
Apr. 30, 2012 Courtyard
   

ニュース・日記

 
日記

2012年5月31日(木)
「イサカ祭り」――パレード@ダウンタウン


パレード。


 
今日から「Ithaca Festival」。

 ダウンタウンでパレードがあると知ったので、研究室仲間のL博士と見学に。

 様々な団体が思い思いのコシュチュームで練り歩いていた。目についた特徴は、環境・エコ系の団体と、教育系の団体が多いこと。大都市の派手なパレードの足元にも及ばない田舎のお祭りだが、イサカ市の文化を感じさせる。

 それにしても、イサカにこれ程の人が居たのかと思わせる程、沿道は賑わっていた。
  


2012年5月28日(日)
コーネル大学(全学)卒業式


画像はホテル管理学群の入場シーン。先導する学部長が紹介されている。



 
住まいの近くのフットボール場(Schoellkopf Field)で、全学卒業式典が執り行われた。

 人伝にTV放映されると聞いていたが、本当にライブ中継されているのを観てビックリ。しかもカメラを3〜4台使って、明らかにプロが編集している。

 会場となったSchoellkopf Fieldへの入場模様から、学長による演説と、学位授与式までに至る計2時間が観る者を飽きさせることなく、同時中継され、その放送内容は後日DVD化して大学から販売されるとのこと。

 以前「コーネル・クラブ」に宿泊したときに、前年度の卒業式典の模様のビデオが館内放送チャンネルで流されていて、同窓生の愛校心をくすぐる仕上がりに成っていたので、式典の映像は今後プロモーション資料としても活躍すると思われる。



2012年5月20日(月)
トンプキンス郡裁判所・集中事実審理を傍聴!


集中事実審理が行われたOld Court Bldg.
 二階で行われた集中審理の法廷には、この裏口から入るように指示された。
 二階では金属探知機と廷吏による身体検査で持ち物が厳重に事前チェックされる。
 法廷内の写真撮影は、公判後でも禁止とのこと。残念。


同じ裁判所の正面。


Old Court Bldg.が、歴史的な建築物でも在ることを示す立札。でも未だ現役で活躍中。


教会のような形のOld Court Bldg. 正面写真。


 
知り合いのLさんが、郡裁判所と市裁判所の書記官を兼務している関係で、今日、興味深い集中事実審理があると聞き傍聴に行ってみた。

 刑事事件。この辺りでは大事件だった、2011年2月25日にコーネルの「σαε:Sigma Alpha Epsilon:SAE」とゆー「友愛会」(fraternity:ギリシャ文字3文字の会)の学生George Desdunesが急性アルコール中毒で死亡した事件で、3名の友愛会学生と友愛会法人が被告人に。「第一級および第二級reckless hazing(無謀なしごき)」等が請求原因。(日本ではさしずめ相撲部屋のシゴキ問題か。)

 朝9時から、法人友愛会が出廷しない等の諸問題を扱う手続が始まり、出廷被告人側全員が「陪審裁判」権を放棄したので、いきなり「裁判官裁判」として冒頭陳述が始まる。(後でLさんから聞いたところによると、民事事件と違って刑事では陪審裁判の権利請求が被告人側にのみ付与され、検察側には請求権が無いから、3名の被告人全てが放棄すると自動的に裁判官裁判になる。筆者の私見では、裁判官裁判の方が被告人に有利だと弁護士たちが読んだに違いない。)

 検察側曰く、被告人たちは共謀して被害者を人さらい(kidnapping)し、無謀にも飲酒を強要して遺棄し死に至らしめた。弁護人は各被告に一人づつ。最初の被告人の弁護士が名うてな感じ。冒頭陳述で彼は、この飲酒はあくまでも被害者が自主的に受け入れたものと主張。これは友愛会の絆を深め共通のモラルを抱くための一種の「儀式」に過ぎない(友愛会の歴史や規則を質問して答えられないと酒や辛子や甘味ものを飲ませるという罰ゲームのようなもの)。しかも死因は飲酒強要以外にある、と述べた。

 検察側が本日急に証拠採用を求めたビデオを巡って弁護側からの異議が出てしばらくもめた後に、証拠調べ(検察側証人への主尋問と反対尋問)開始。最初の証人は友愛会の同僚らしき学生。二番目は第一発見者の清掃業者の男性。三番目は友愛会の上級生幹部。四番目は被害者の恋人。5番目は駆けつけた救急隊員。最後は現場検証をした州警察。なお最後の証人への反対尋問の途中で閉廷時間が来たので、明日以降継続することに。

 全体的な印象は、弁護側(の反対尋問)が有利。特に一番目の被告人の弁護士が敏腕で、検察側の弱点を鋭く突いていた。例えば、州警察の現場検証では、友愛会やアパートに在った酒らしきものが入っていたショットグラスを押収せず分析をしていないとか、指紋も採取していないとか、被害者のおう吐物を押収したけれども分析しなかったとか…。あるいは罰ゲームは儀式で共通の絆を形成する為のものであるとか、拒否することもできるから被害者はあくまでも自主的に応じたはずであるとか、拒否しても汚名を課されることはないとか…。あるいは、清掃業者の男性が早朝にソファーに寝かされていた被害者を最初に見掛けた時には異常がなく、45分後に見た時に口からおう吐し異常であった為に助けを呼ぶも誰も来なかったので911救急車を呼んだとか(すなわち最初に見たときまで被害者には異常がなく、従って友愛会のメンバにも救護義務などないと示唆)。更には救急隊員に対する反対尋問に於いては、被害者が抗生物質と咳止めを服用していて、それらとアルコールを併用すると健康上良くないことを知っているかと反対尋問して因果関係の切断に努めていた(尤も救急隊員は医学的意見を述べる専門家証人の適格性を欠くので、検察側からの異議申立により証言は妨げられていたが、死因が別にある旨の示唆には成功。尤も裁判官裁判での示唆のanchoring効力は不明。)

 全体的な印象は、流石に裁判先進国のアメリカの感。地方の裁判所でも、手続法に従って、しかも集中審理が迅速に次から次へと証人尋問を進める。死亡に至る前の被害者の様子から現場検証の様子まで、次第に明らかに成って行く様は、正にドラマを見ているような錯覚さえ抱かれる――夜9時から恋人とメールで意思疎通した後に、深夜1時過ぎから二人で逢瀬をしたときには素面で元気だったのに、その後、恋人宅から分かれてから皆で飲んでいたところをキッドナップされて儀式(その際には手を縛られて質問に答えられないと罰ゲームで飲酒等を強要?されたらしい)を経て、酔って同僚に両肩を抱えられて友愛会のソファに寝かされて、早朝の清掃業者の男性の発見に至る――。特に第一被告人の敏腕弁護士が、反対尋問で鋭く検察の理論の弱点を明らかにしていく様子は、これまた映画を見るうような鮮やかさを感じた。

 事件の内容の方で疑問に思ったのは、友愛会(フラタニティー)という組織の存在。日本の大学には類似のものが無いので理解に苦しむが、反対尋問によれば、組織は大学を超えた全国組織で長い伝統があり、各大学にchapterと呼ばれる下部組織があるという。ネットで調べたこの事件の記事も、同じ事実を記述していた。更に記事曰く、コーネル大学はこの事件を重く捉えて、SAEの認定を取り消し、寮から出て行くように言い渡したとのこと。Lさんの話では、SAEは法人化していて、この件の民事訴訟では被告になっているとのこと。財力はあるのか問うたところ、付保しているのではとの推察。財力もある一つの権力組織か???



2012年5月12日(金)
第三回・日欧夕食会!


L博士の手作りリゾット。


 第三回目になった「ザ・タワー」での夕食会。今回はスエーデンの物理学博士候補夫妻も参加して、L博士が手作りリゾットをご馳走してくれた
。美味!
  
 


2012年5月11日(金)
ロースクール卒業式間近!


Courtyard。


 写真は中庭(Courtyard)に張られた仮設テント。


 来る日曜日は、全学に先駆けてロースクールの卒業式。式典の後に、中庭で挙行される恒例のレセプションの準備。客員研究員たる今の僕には無関係な行事だが、「卒業式」と聞くと何故か焦る。研究期間も残り僅かだと迫られている気がするのである...。

 20ウン年前に僕もこのテントでゼミの指導教授と一緒に写真を撮ったことを思い出す。
  



2012年5月5日(土)
スーパー・ムーン!


ケータイで写すと判らないが、とっても大きな満月。


 日本での観測に遅れること十数時間
。NY州でもスーパームーンが観測できた。月が地球に最も近づく時期とゆーことで、ニュースでも盛んに告知していた。

 日本のフェイスブック知人から、日本のスーパー・ムーンの写真が複数届いていたので、日本でも盛り上がっているらしいことを知る。

 地球が一つに繋がっていることを実感させられる事象。神秘的 !
  



2012年5月3日(木)
『ジュリスト』を発見! おそるべし、コーネル・ロースクール!!


『ジュリスト』がずらり。

1961.10.15号。


 日本の原子力損害賠償法の文献を
リーサーチしていたら、何と半世紀も昔の『ジュリスト』を発見。しかも僕の研究室の在る「法律図書館」の同じ建屋内に!!

 研究室の在る図書館最上階から、書庫内の階段を下って休館地階に行くと、そこには『ジュリスト』のバックナンバーがずらり。ちらっと見ただけでも1950年代のものから揃っている。

 僕は目当ての1961年10月15日発行の、原子力損害賠償法特集号をゲット。我妻先生、星野先生、竹内先生らが執筆し、座談会も掲載され、立法当時の事情を知るのに貴重な文献。

 昨年から論点に成っていた、3・11津波が「異常に巨大な天災地変」に該当して東京電力が免責されるか否かの問題についても、制定法の原典となった答申の関係者達の論考を直接読むことで、より説得力の在る英語論文を起案できそうである。
  



2012年5月1日(火)
いよいよ5月


試験期間に入って図書館も静か。


 学年度末の5月
。試験期間に入って静寂と、もう直ぐ長ーい休みに入る前の慌ただしさで、落ち着かない。が僕は淡々と、某法律雑誌に依頼された論考を、淡々とリーサーチする。  


4月の日記・ニュース

3月の日記・ニュース
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9月の日記・ニュース 
 8月の日記・ニュース
 

 中央大学多摩キャンパス「桜広場」を研究室から望む。
Looking down the Cherry Field from my office in Chuo Univ., Tokyo, Japan  
主なニュース
 2011年8月  渡航準備で忙しい . . .。
 2011年5月24日  コーネル大学ロースクールより、Visiting Scholarとしての正式な招聘状が来た。招聘状の発信者は、「クラーク国際および比較法学研究センター」の執行部長。文面は以下の文言で始まっていた。

「ジェームズ・ヘンダーソン教授とコーネル大学ロースクールを代理して私は、喜んであなたを、コーネル大学ロースクールの訪問研究者として招待致します . . . 。」(拙訳)

いよいよ渡航準備に着手できる . . . 。
なお、ヘンダーソン教授は、製造物責任法に関する世界でNo.1の研究者。『リステイトメント(第三次)不法行為法:製造物責任』の共同起草者でもある。
2011年1月10日 下記「プロバイダ責任制限法」に関する総務省の作業部会(WG:ワーキンググループ)に於ける、筆者の発表資料の内容が公開された――以下をクリック下さい。
平野晋「米国プロバイダ責任制限法〜『デジタル・ミレニウム著作権法』512条等に関する幾つかの裁判例の紹介〜」
in
総務省「プロバイダ責任制限法検証WG(第3回会合)」 配布資料7(平成22年12月21日).
2010年12月2日 製造物責任法(PL法)の研究に関連して、(独)科学技術振興機構[JST]・ディペンダブル組込みOS研究開発センターが、12月2日(木)に、「パシフィコ横浜」のアネックスホール [F206]で開催する、「オープンシステムディペンダビリティが世界を変える〜ディペンダビリティと説明責任〜」のパネル・ディスカッション「ディペンダビリティにおける説明責任」(15:40〜17:00)にパネラーとして参加。
2010年7月23日

製造物責任法(PL法)の研究に関連して、企業法務の月刊誌『ビジネスロー・ジャーナル』2010年9月号(レクシスネクシス・ジャパン株ュ行 2010年 7月21日発売)に、筆者へのインタヴュー記事「劇場型陪審裁判がカギ:PL訴訟という"ゲーム"に勝つために」が掲載された。

   
The author in Horyu-ji, Nara City, Japan